車載用半導体分野で世界をリードするSTマイクロエレクトロニクス(
http://www.st-japan.co.jp/、NYSE:STM、以下ST)は、MOST(Media Oriented Systems Transport)バス用のパワー・マネージメント・ソリューションを発表しました。本来、MOSTは車内用の新しいネットワークとして開発されましたが、CDプレーヤやDVDプレーヤ、カーラジオ、パーソナル・ナビゲーション・デバイスなどのカーマルチメディアに最適化されており、それらを容易に車内のMOSTバスに取り込むことが可能です。
この新しい
L5961 パワー・マネージメントICは、ファブレス半導体メーカーであるSMSC社と共同開発されたもので、同社のMOSTバス用ネットワーク・プロセッサと組み合わせにより、電源供給、ネットワークの状態、MOSTバスの立ち上げ、温度などを常にモニターし、より強化された自己診断機能を有する電源供給/MOSTパワー・マネージメントICです。
L5961とSMSC社製ネットワーク・プロセッサを組み合わせたチップセットは、あらゆるMOSTネットワーク・ノードにブロックを構成することができます。また、例えばターン・オン/オフ・タイミングやその他のデバイスの故障や誤動作などの面で、MOSTバスに接続されるている個々のアプリケーションからの優れた独立性を確保することも可能です。
現行のMOSTバスを構成するソリューションでは、ディスクリート部品を使用しています。
L5961では、電源供給とパワー・マネージメント機能を集積することにより、ディスクリート部品数の低減が可能です。それにより、基板スペースの大幅な低減、部品コストの低減、および部品管理費の低減などのコスト面における利点だけでなく、スタンバイ・モードでの消費電力の低減も可能なため、要求が厳しい自動車メーカーからの低消費電力化への対応も可能になります。
L5961は、複数のパワー・モードを備えており、その1つであるウルトラ・ゼロ・パワー・モードではディスクリート部品で構成した場合と比較して暗電流をわずか5μA(typ)に抑えることが可能です。
L5961の省スペース、コストおよび部品点数の低減といった特徴が、より高いフェイル・セーフや廃棄する際の再生産性向上などの優位性を実現します。
その他の
L5961の特徴として、ネットワーク・プロセッサへの電源供給およびその他の低電圧アプリケーションにも対応可能な5Vまたは3.3VのDC-DCコンバータ(650mA)、光ファイバー・トランスミッタおよび光ファイバー・レシーバへの電源供給を行う2つのレギュレータ、また現在のディスクリート部品の構成ではそれぞれ単独で搭載されている3つのバッテリ電源電圧検出回路の内蔵などがあります。
STのカー・マルチメディア部門ジェネラル・マネージャであるDomenico Rossiは、次のようにコメントしています。「
L5961は業界初の高集積MOSTパワー・マネージメント・ソリューションであり、ネットワーク・プロセッサ用の電源とパワー・マネージメントの両方を集積しています。パワー・マネージメントに関するSTのノウハウと、MOSTネットワークに関するSMSC社の専門技術を組み合わせたこのチップセットは、車載インフォテイメント業界に最適です。」
SMSC社の副社長兼マネージング・ディレクタであるChristian Thiel博士は、次のようにコメントしています。「STの
L5961には、MOSTノード用の電源とパワー・マネージメントを作るために通常必要となる、すべてのディスクリート回路が集積されています。設計者はこのデバイスを使うことによって基板上の部品数を大幅に低減でき、コスト低減、複雑性の軽減、品質の向上などのメリットを即座に得ることができます。」
L5961の評価用サンプルは、PowerSSO36パッケージ、またはより高い熱放散を必要とするアプリケーション向けのオプションとしてPowerSO36に実装され、現在主要顧客向けに提供可能です。量産に向けた
L5961の検証完了は、2008年第3四半期の予定しています。
L5961の単価は、約1,000個購入時で約3ドルです。
注記
MOST(Media Oriented Systems Transport)は、自動車およびその他の車両におけるマルチメディア・コンポーネント間の相互接続を目的としたネットワーク規格です。既存の車載バス・テクノロジーの多くとは異なり、MOSTは光ファイバーを使用するため、導線によるバスよりも高いビットレートでの動作が可能です。
MOSTはStandard Microsystems Corp.(SMSC)の商標です。