保護IC分野の世界的リーダーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、基板上での信号終端機能と保護機能を統合した世界初のICを発表しました。この製品により、産業用制御機器やビル・オートメーション機器の設計者は、システム性能とEMI耐性の向上と共に、消費電力・サイズ・発熱を低減することが可能になります。
工場やビルのデジタル・オートメーション化は、企業の製造プロセス改善に向けた詳細情報の収集に役立ち、そのために必要となる制御およびプロセス機器の世界市場は、2010年に716億ドル超になると予測されています
*。これらの機器は、機能および精度向上のために新たなデジタル信号チャネルが導入され、ますます複雑化しています。従来はこのような複雑化により、ライン・トランシーバやフォトカプラといった機能ブロックのサイズと消費電力が増大し、新しいチャネルに対応するための部品の追加が必要でした。通常、フォトカプラ絶縁では、機器およびユーザのために、電源サージや静電気放電(ESD)等からの保護を必要とします。
保護機能と信号終端機能を集積化した
SCLT3-8BT8は、新しい機器設計において、多数の部品を追加することなく使用チャネル数を増やすことができます。従来の終端方法では、データ・チャネル1本ごとに光トランジスタ1個が必要でした。同製品は、8本のデータ・チャネルを1本のシリアル出力に統合するため、光トランジスタおよび関連する部品数の大幅な低減を実現します。これにより、既存技術と比較してボード面積が50%以上減少し、消費電力も約30%低減します。
また、高効率化により、消費電力が1入力あたり78mW未満になったため、エネルギー消費およびアイソレータの発熱を抑制します。これは食品加工や化学工業分野等で必要とされる、密閉型の制御ユニットに有効な特性です。
SCLT3-8BT8は、プログラマブル・コントローラの国際規格IEC61131-2の入力特性に準拠しているため、広範なアプリケーションおよび環境向け機器に使用することができます。また、デバイスに内蔵された保護機能は、最大過渡電圧±4 kV、最大電圧サージ±1 kV、空中放電ESD耐圧± 15 kV等を規定したIEC61000-4規格にも準拠しています。さらに、業界標準のSPI通信インタフェースを内蔵しており、STのハイサイド・ドライバ(
VNI8200)、もしくは32bitマイコン(
STM32)や8bitマイコン(
STM8)などから構成されるシステム内の部品に直接接続することができます。
SCLT3-8BT8は、現在サンプル出荷中です。概算単価は、1,000個以上購入時に約3.20ドルです。
*Global Industry Analysts社、A Global Strategic Business Report(2008年3月)「Control And Processing Equipment(制御およびプロセス機器)」より