マイクロコントローラ(マイコン)の主要サプライヤであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイコン である
STM32の超低価格な新製品ライン「バリュー・ライン」の詳細を発表しました。この新製品ラインは、独自のプロセッサ・アーキテクチャを使用し、高い処理能力を必要としないコスト重視のアプリケーションに対して、業界標準である
STM32の32bitプロセッサ・コアのメリットを提供します。
これまで、16bitの設計を32bitにアップグレードするエンジニアは、性能や柔軟性を向上させるため、複雑なアプリケーション向けに多くの機能を備えた高価格な32bitマイコンを選択する必要がありました。超低価格な「
バリュー・ライン」は、ARM
® Cortex™-M3プロセッサ・コア(24MHz)を典型的な16bitアプリケーション(家庭用エンターテインメント製品、電化製品、産業用機器等)に最適化したペリフェラル機能と統合することで、このような状況を改善します。また、24MHzでゼロウェイト・ステートの内蔵Flashメモリにアクセスし、最大30DMIPSの性能を発揮するため、大部分の16bitプロセッサより高い性能を提供します。さらに、単価が1ドル以下になる同製品ラインは、業界標準コアを採用しているため、蓄積されたソフトウェア資産や開発ツールを共有できるメリットもあります。
「バリュー・ライン」には、モータ制御用のPWMタイマなど、最大12個の16bitタイマが、アプリケーションに特化した機能として搭載されています。最大100ピンまでのパッケージ・オプションにより、26個ものタイマ・チャネルが利用できるほか、高速ADコンバータ(12bit )も備えており、産業機器制御における広範な課題を解決します。またSTは、家電製品のEN/IEC60335-1クラスB認定の取得をサポートするため、電化製品とモータ制御用の3相モータ制御ライブラリおよび無料VDE認証ライブラリを含めた無料ソフトウェアを提供しています。
「バリュー・ライン」には、HDMI規格に含まれるConsumer Electronics Control (CEC)プロトコル用のハードウェア・サポートが組込まれており、TV、Blu-rayプレーヤ、PVR、およびホーム・シアター機器等へのCECの導入を簡素化します。CECはHDMI搭載の家電製品(最大10台)による相互認識・通信を可能にし、1つのリモコンによる複数製品のワンタッチ制御など、ユーザに便利な機能を提供します。ハードウェアにCECを実装することで、プロセッサ・コアはさらに高い機能を実行できるため、アプリケーションに新たな価値が付加されます。
また、DAコンバータ(12bit)により、セキュリティ機器またはホーム・オートメーション・システム等の様々なアプリケーションにオーディオ機能を追加でき、アナログ波形の生成および制御を必要とする幅広い用途に対応することができます。
「バリュー・ライン」の導入は、低価格、低消費電力、優れた接続性そして高性能といった32bitマイコンの幅広い選択肢を提供し、5つの製品ラインを有する
STM32ファミリをより身近なものにします。
STM32ファミリは、全110種以上の製品から構成されており、様々な機能や内蔵メモリ容量のオプションを提供するだけでなく、全製品にピン配置ならびにソフトウェア互換性があります。この互換性は、柔軟な設計ならびに製品アップグレード、新製品のコストと製品化期間を最小限に抑えるための設計資産と開発ツールの再利用を可能にすることで、プロセッサ・プラットフォームの戦略的な選択を実現します。
現在、「バリュー・ライン」の
STM32マイコンは主要顧客向けにサンプル出荷中で、量産は2010年3月より開始予定です。単価は、10,000個購入時にFlashメモリ容量が16KBの製品(48ピンLQFP48パッケージ)が約0.85ドル、64KBの製品(64ピンLQFP64パッケージ)が約1.44ドルです。